赤い!月が赤い!!こんにちは。2018年1月31日の夜はスーパーブルーブラッドムーンという、35年ぶりの天体ショーに驚嘆された皆様も多いのではないでしょうか。それに触発されてという訳でもないのですが、今回はおすすめのSF漫画をご紹介させていただきます。
MOONLIGHT MILE
猿渡吾郎とジャック・F・ウッドブリッジ=“ロストマン”という二人の主人公が宇宙飛行士として月を目指す様子を描く骨太SF漫画。舞台は遠くない近未来で、現在ある国家が少しずつ宇宙開発に進出していく頃という時代設定です。宇宙開発が進んで多くの建設物を建てるようになれば、実際にEVA(船外活動)で体を動かして働くブルーワーカーが宇宙飛行士として必要になる時代が来る、という予測をはじめ、現代の国家間関係や政治社会問題から演繹された硬派な設定が魅力です。月を目指す登場人物たちの人間ドラマも激熱。このブログを書いている当時は23巻まで出ており、2部の連載が休止中ですが、1部まででも読みごたえは十分あります。
宇宙家族カールビンソン
宇宙交通事故が原因で未開の惑星に墜落してしまったロケットの、唯一の生存者である少女を、変なロボット(おとうさん)やデカいネズミっぽいエイリアン(おかあさん)を初めとするおかしな登場人物たちが、育てるというコメディ。少女の故郷や同族が見つかった時に備えて、墜落した惑星で出身惑星(地球)の環境を再現してあげようとする、という、ライオンの子供が成長した時にサバンナで暮らせるように親のフリをして育てるみたいな話です。地球の情報に乏しいせいでズレてる感じやいちいち奇妙な登場人物、随所に現れる作者の趣味等々、何から何まで愛らしい漫画です。掲載誌を変えて何度か連載されている関係で、色々と版がありますが、自分は少年キャプテン版が一番好きです。同作者が学研で書いていた科学漫画「まんがサイエンス」や小学生が夏休みに小型ロケットを打ち上げようと奮闘する「なつのロケット」もオススメ。
宇宙家族ノベヤマ
せっかくなのでもう一本宇宙家族ものを。カールビンソンはギャグ漫画でしたが、こちらは正統派SF漫画です。宇宙を旅する資格である「メッセンジャー」の遺伝子を持つものとして選ばれたごく普通の小学生男子とその家族が、いくつもの地球外文明と出会う中で文明の目指すべき形を模索していく…という思考実験的な要素を含んだ内容です。科学の発展とそれに伴う堕落や戦争といった課題に知的生命体としてどう向き合うか、その姿勢を、今抱えている問題を一旦忘れて、一から考え直させられる、センスオブワンダーに溢れた傑作です。全2巻で手に取りやすいボリュームなので是非ご一読を。
今回は3作品をご紹介しましたが、まだまだ面白い漫画があるので、また別の機会でご紹介したいと思います。
以上。終わり。