さて、前回に引き続いて徳間さんのワークショップに参加してきた話をしたいと思います。
インフォグラフィックスを作成する上でデザイナーが心がける5つの要素
1.正しく見せる
選挙の報道の時の話でもありましたが情報を視覚的に表現する際に印象操作やミスリードを行うのは望ましくない。また、クライアントに要求された際に、どのように抵抗するかとうお話もされていて(笑)。情報とデザインに真摯であろうとする姿勢に感銘を受けました。また、実務レベルの話として、前述の数字をバブルで表示させる時に面積ではなく、直径でやってしまうとすごく誇張されてしまう、という話を受けてエクセルで算出方法を用意しておくと良いと数式も含めて見せてくれ、非常にありがたかったです。
2.複数の視点
同じ情報を伝えるにしても、いろいろな視点を持つことで伝わりやすさや気付きが違うという話。例として出してくださったのが、ある人の個人史をつらつらと語った文章を表示してくれたのですが(すごくわかりづらかった)。「時系列」という1つの視点を設けて図解化すると非常にわかりやすくなるのを提示してくれて、これは純粋に発見でした。
3.既知の利用
これもスライドをベースに紹介してくださったのですが(ほんとに、そのスライドをここで表示できないのが痛い…)。ただ丸が表示されているとなりに木を追いたり、消しゴムを置くことで、その丸の大きさが図ることができるというもの。そういったものを有効に織り交ぜていく重要性を語っていました。例えば世界共通のカタチとして矢印や人のシルエットは共通で認識できるので、そういったものを活用すると良いよと。その話があった中余談として面白かったのが新宿Lタワーの話で、上記のような万国共通のものを使っているのにもやらかした例として上げていました(笑)。
新宿案内図問題:新宿エルタワーのサインのデザインがわかりにくい – Togetterまとめ
笑いばなしではあったのですがでも、これが災害時だとしたら死活問題になりかねないわけで情報を扱う上で、デザイナーがちゃんと意識しないといけないことだなと感じました。
4.if(もしも)の想像力
正しく伝えるということを大切にしつつどうやって表現すると面白くなるかという視点が非常に大切というお話。ただ図解化して情報を伝えるのですが、ちょっとトンチを利かして、ユーザーが面白がって自分ごととして捉えてくれることで、情報の伝達度が違うということを話されていました。徳間さんがやった企画を例にお話してくださったのですが、東京スカイツリーなどの「高さ」を比較するにあたって展望台までの「見学料」という別視点を持ってきて1mあたりの料金を持ってくることでコスパ良く高いところに行くには!(笑)という話をされていて、確かにそうしたほうがインパクトがあり、面白がって情報を受け取るんですよね。
5.自分ごとにさせる
これは説明の前に徳間さんが企画した以下のサイトを見ていただくとわかると思うのですが
上記の推移していく数値の中に、その時自分はどこにいるかという視点を置くだけでかなり切実に自分ごととして考えざるを得ないのがスゴイなと。実際にこの図を見たことをきっかけに、仕事をやめてNPOを立ち上げてしまった人もいたそうです。すごいですよね。で、追加で
6.出典
一次ソースの明記することは基本だけど非常に大切という話もありました。
最後に…
そのあとにダーウィンの進化図があたえてしまった誤解などの例示をもとに印象操作とミスリードの話があり、最後は自分をインフォグラフィックで紹介するというワークショップもあり非常に盛りだくさんの内容でした。もともとインフォグラフィックスの絵を眺めていることにある種の快楽を感じていたタチなので、その真髄に触れることが出来て、非常に大満足のプログラムでした。いくつか参考サイトや本も紹介してくださっていたので、そちらもシェアしておきたいと思います。
デビッド・マキャンドレス 「データビジュアライゼーションの美」 | TED Talk
ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール (Amazon)
徳間さんありがとうございました!